学生アルバイトの柔軟な発想力と専門店のノウハウを融合した商品訴求
独自性にこだわった訴求
写真右から、店長の今井政臣氏と入江俊幸氏
昨年の秋に開催された菊正宗「第12回 ディスプレイコンテスト」のBコースにおいて、グランプリを受賞したのは、酒の悟空 京山店である。店長の今井政臣氏は「グランプリ受賞は光栄です。スタッフ全員での挑戦が実を結びました」と語ってくれた。
売場づくりは、「大学生アルバイトの柔軟な発想を元に、スタッフが陳列案などを出し合い、つくり込んでいます」と同店の入江俊幸氏。今回も、菊正宗のホームページから企業イメージや商品イメージを参考に、大学生アルバイトがアイデアを出した。
トップボードには、企業イメージから、「満開の菊」を「満開の笑顔」にかけて、「伝統の辛口一筋 菊正宗 満開の笑顔を食卓に!」と大輪の菊の花の絵とともにアピール。また、ラベル型POPでは、生酛のおいしさの決め手となっている乳酸菌の訴求も行っている。トップボードと同様に、アイキャッチャーとなる大型商品POPは、段ボールで作製。これらは、大学生のアイデアを具現化していったPOP類である。
さらに、商品それぞれには、商品特徴を訴求する手書きPOPがつけられている。若い視点での発想と専門店としての知識や経験を融合させることと、手書きのこだわりによって、オリジナル性の高い売場となっている。
「お酒に詳しいお客さまだけではなく、そうではない方にも買物が楽しめるバランスのとれた売場づくりを行っています」と今井店長は語ってくれた。
商品への愛着を育む売場
若者から高齢者が好む多種多彩な酒類を揃え、消費者ニーズに応えている酒の悟空 京山店
酒の悟空 京山店は、岡山駅から3キロメートルほどの京山地区にある。岡山大学を始め、大学や専門学校が集まっている文教地区である。そのため、地域の住民と学生という幅広い年齢層が来店する酒類の専門店である。また、アルバイトも学生が多い店である。
専門店ならではの豊富な品揃えは、同店の特徴であるが、逆に商品購入に迷う来店客もいる。「どのような商品を求めているのかなど、丁寧に会話しながら、お客さまのご要望に応えています」と今井店長。またPOP類は、商品選びのポイントを、手書きでわかりやすく表現することを心がけている。
専門店としてのさりげないこだわりが、商品の陳列である。今井店長は「手に取りやすい陳列はもちろん、商品ごとに関連性のある並べ方を行っています。わかる人が見ると陳列によって、商品知識や愛着度が伝わります」と話す。
ディスプレイコンテストによって、普通酒はもちろん、大吟醸や特撰を購入する顧客が増えるなど、購買意欲を高めることがきるので「今後もチャンスがあれば、どんどん参加していきます」と今井店長は語ってくれた。