独自の販促物を駆使してインパクトと発信力のある陳列を実現
リアル店舗の魅力を発信するわくわくする売場づくり
(株)ホクノー 中央店は、多くのコンテストで受賞実績を持つ常連店。大規模団地に近い立地で近隣のリピーター客が多いため、常にわくわくするような売場づくりを心がけている。
同店の大陳を担当しているのは、(株)ホクノーの食品バイヤー中川卓哉氏。中川氏は、「陳列によって、いかにしてリアル店舗ならではのパフォーマンスを出していけるか、常に意識しています。お客さまに楽しんでいただくことをめざすなかで、われわれもスキルアップできますし、担当者のモチベーション向上にもつながります」と大陳コンテストの意義を高く評価している。
今回のコンテスト参加を決めた理由について中川氏は、「キッコーマンさんとは、以前の担当者の時代から、いつかキッコーマンさんの企画があったら参加して、賞をねらいたいね、という話をしていました。今回、実際に提案があったので、3~4年越しの念願がようやく実現できる、という気持ちで参加しました」という。
ただ、今回のテーマである「鍋」については難しい面があったという。周辺に高齢の少人数世帯が多いという事情があり、鍋用調味料はあまり動かないという商圏特性があったからだ。
「そこで今回は、鍋はもちろん、鍋以外の料理にも幅広く使えてなじみのある『濃いだし本つゆ』をメーンとし、専用の鍋調味料をサイドで扱うというかたちを考えました」(中川氏)
それによって、「本つゆ」を使った鍋メニューの提案など、「本つゆ」の新たな使い方をアピールしていこうというねらいだ。
大陳効果を最大限に発揮した壁いっぱいの「本つゆ」
実際の陳列では、「本つゆ」を壁いっぱいにダイナミックに展開。中川氏は、「ひとつの商品を大量に並べるとどうしても色合いが単調になるので、そこに野菜のイラストや、手づくりの鍋のディスプレイなどを配置するなど、全体のカラーコントロールを意識しました」という。
また同店の大陳は、オリジナルの販促ツールを駆使し、独自のメッセージを打ち出すことがひとつの特徴となっている。
今回も上段に大きく掲げた独自のキャッチを加えたボードや、フロアディスプレイ、サイドにも大きな「具鍋」の商品をかたどったディスプレイを掲げるなど、さまざまな要素を加えつつ、全体としてバランスの取れた、美しさと迫力のある陳列を実現した。
こうしたアイデアは基本的に中川氏が考える。まず簡単な絵コンテを描き、それを販促物やPOPを制作する担当者にわたして、実際に制作をしてもらうという流れだ。
「制作担当者は、自分なりのアイデアを盛り込んで、ボードのデザインやディスプレイなどの造形を行っています。こうしてできたパーツをもとに、実際に売場で陳列し、そこで微調整を加えながら完成させるというスタイルです」(中川氏)
陳列の効果は大きく、販売実績を伸ばしただけでなく、来店客の反応も上々。中川氏は、「今回の陳列は他部門のパートさんもほめてくれましたし、自分が手がけた中でもトップ3に入るくらいの納得のいく陳列ができました。今回、初めてのコンテストで、他店の傾向などもわからない状況でしたが、手応えのあった陳列を高く評価していただけたことは大変うれしく、この快感はやめられないですね」と喜びを語る。
中川氏は、今後は、鍋以外のキッコーマン商品を対象にしたコンテストの実施も期待しており、積極的に参加していきたいという。