注目度の高いスペースを生かして迫力とボリューム感のある陳列を展開
他店の事例などを常に研究、日頃の演出に生かす
左から、スーパー魚長宝来店 店長 田島学氏、同グロッサリー主任 牧之瀬隼人氏、キーコーヒー株式会社 北海道ユニット 係長 荒昌邦氏
函館市内でスーパーマーケットを運営する有限会社魚長は、鮮魚小売りからスタートして創業70年を超える老舗。地元で親しまれてきた地域密着型のチェーンだ。
今回最優秀賞を受賞したスーパー魚長宝来店は、夜景で有名な函館山近くに立地しており、地域住民のほか、観光客も立ち寄る。とくに最近は地元スーパーの日本的な売場が珍しいのか、外国人観光客の来店も増えているという。
同店店長の田島学氏は、「当店周辺は昔からの住宅地で、ご高齢のお客さまが多い。地域に密着した品揃えとサービスに努めていきたいと考えています」と言う。
今回の陳列を実際に担当したのは同店グロッサリー主任の牧之瀬隼人氏。他店での経験も含め、グロッサリー担当として、10年以上の経験を持つ。
「大陳コンテストに参加する売場はもちろんですが、ふだんから店の活性化につながるような、盛り上がる演出を意識しています。他店の事例を参考にしたり、自分なりに研究しています」という。
田島店長は「主任はいろんなことをよく勉強していて、アイデアや発想が豊か。経験もあり、仕事の効率やスピードにも優れていますので、陳列はすべてまかせています」と語る。
メーカーの熱い思いが伝わる売場を意識
スーパー魚長宝来店
今回の陳列で牧之瀬氏は、コーヒーという商品を手に取って選ぶおもしろさ、買いやすさを提供できる演出をめざした。また限られたスペースの中で、迫力やボリューム感を出すことも意識したという。
「キーコーヒーさんの販促物のほか、手づくりのメーカーロゴや季節感を演出する飾り付けなど、オリジナル性を出すことも意識しました。結果としてお客さまの反応もよく計画以上の売上を記録することができました」(牧之瀬氏)
全般的に簡便商品へのニーズが高まっているため、レギュラーコーヒーのほか、インスタントコーヒーなど多様な商品を陳列。インスタントコーヒーの売れ行きもよかったという。
牧之瀬氏は「以前、キーコーヒーさんの工場見学に招いていただいたことがあり、製造現場のコーヒーへのこだわりや、熱い思いを実感してきました。その経験から今回の陳列には自分でも思い入れがあり、そうした思いが伝わる陳列にしたいと思っていました。ただ最優秀賞という結果はまったく考えておらず、知らせを聞いてびっくりしています」と言う。
田島店長は「陳列を行った場所は店舗入口から見通すことができて鮮魚売場につながる主要動線上に位置し、来店されたお客さまは必ず目にする一等地です。ここでは常に催事展開を行っていますが、今回のコンテストについても、非常にいい陳列ができていて、立ち止まって見ていらっしゃるお客さまも多かった。受賞結果についても、想定内です」と笑う。
牧之瀬氏は「陳列の仕事には、いろいろ工夫しながら楽しんで取り組んでいます。そのほうがお客様にも楽しさが伝わると思います。店には女性スタッフもいますので、今後はさらにみんなの力を合わせて、さまざまな感性を生かしたより多様性のある陳列に取り組んでいければと思っています」と言う。