子供向けにわかりやすく野菜摂取の重要性を訴求 楽しさあふれる情報発信に成功
店頭からの情報訴求でメーカーと消費者の間の架け橋になることを意識
今回、ボリュームコースでグランプリを受賞したスーパーアークス宮の沢店は、この2年ほどの間にメーカー主催のディスプレイコンテストで受賞実績を重ねている気鋭の店舗。
同店店長の若松あやこ氏は、「ディスプレイコンテストに参加するようになったのは2年前くらいです。コンテストを通してメーカーさんとのコミュニケーションが充実するというメリットがあります。同時にメーカーさんが行っている取り組みや、よい商品をお客さまにどう伝えていくか、その架け橋になれる立場だと考え、積極的に参加するようになりました。私自身が売場演出を工夫するのが好きだったということもあります」と参加の動機を語っている。
実際に陳列を行うのは、同店ドライチーフの大鐘肇氏とチェッカースタッフを中心とするカウンターチームで、相談しながら進めている。
大鐘チーフは、「アイデアを考えたり、オリジナルの販促物をつくる作業には、チェッカーさんたちが意欲的に取り組んでくれていて、出てくるアイデアや感性について感心することが多いです。業務の合間に少しずつ作業するので大変だとは思いますが、みんなで楽しんで取り組んでいます」という。
ラルズの場合、本部主導で参加を決定するというより、店舗がそれぞれ独自の判断でコンテストへの参加を決定することが多いという。
「今回のコンテストについては、対象商品のアイテムの幅が広く参加しやすかったということと、ドレッシング訴求を通して、青果の販促につながる相乗効果が期待できることから参加を決定しました」(大鐘チーフ)
ドレッシング全体と青果の売上アップに貢献
今回の陳列では、子育て世代の来店客を意識して、まず、子供向けに野菜摂取の重要性をアピールすることをテーマに設定。
そのうえで、マスコットの「キユーピー」を先生役「、ヤサイな仲間たち」を生徒役として、黒板を使い授業風に情報訴求するアイデアを考え出した。
一方で大鐘チーフによると「野菜摂取を提案するために、具体的にどんなメニューを提案したり、どの商品を推していくべきかについて、みんなでかなり悩みました」とのこと。
その結果、需要期に向けて夏野菜を訴求することにしたほか、「サラダを食べよう!」をメーンキャッチとして、マスコットを配置。左右にタワー什器、大型のパッケージをディスプレーするなど、立体的でボリューム感あふれる演出を実現した。売場前で足を止める来店客が多く、注目度も満点。ドレッシング全体の販売実績が150%程度に伸長するなど、大きな成果につながったという。
若松店長は、「今回の陳列では、当日のメニューを決めずに来店されるお客さまに対して、メニューを提案し、お買い上げにつながる訴求ができたと思います。青果部門への波及効果も大きかったのではないでしょうか」と陳列効果を高く評価。
また、今後の参加についても、「やはりキユーピーさんは大手メーカーさんだけに、知識や提案力には驚かされることが多いです。店としてはあまり意識していなかった“気づき”を与えられることも多く、それもコンテスト参加のメリットだと実感しています。今後も機会があればぜひ参加していきたいと思います」(若松店長)と語っている。