オリジナルの垂れ幕でシリーズの特徴を訴求

全アイテムを揃えることで新たな売れ筋発見の機会に

有限会社ケーワイカンパニーキッチンランドSunSun代表取締役・店長 山口克彦氏（左）キユーピー株式会社大阪支店家庭用営業三課戴安東氏（右）

京都府京都市の洛西ニュータウン内のラクセーヌ専門店に立地する「キッチンランドSunSun」。値頃感のある商品がところせましと並ぶ、活気にあふれた地域密着店で、メーカー主催のディスプレイコンテストでは多くの受賞実績を持つ常連店でもある。

同店店長の山口克彦氏は、「機会が与えられる限り、できるだけコンテストには参加するようにしてきました。今回のキユーピーさんのドレッシングはふだんから安定して売れる商品ですが、常にフルラインアップで置いているわけではないので、新しいチャレンジをするチャンスだと思って参加しました。数が売れそうなアイテムは想定できるのですが、それ以外に、大陳を機会に発注した意外な商品が売れるということが起こります。そうした結果についても関心がありました」という。

そのため、今回はキユーピーのドレッシングである赤キャップ、金キャップ、緑キャップ、青キャップやテイスティドレッシングなど、全種類を集めて大規模な売場を構築。シリーズごとの特徴やコンセプトが伝わるようなオリジナルの垂れ幕を用意し、売場の高い位置に掲げて商品選びをサポートすると同時に、注目度を高める効果もねらった。

また下段ではトッピング材料のパウチ商品を配置してクロス展開。サラダをより楽しく、おいしく味わうための提案も行っている。

「どのようなドレッシングを使うかは、野菜の種類にもよりますし、食べる人の好みや気分、体調などでも違ってくると思いますが、やはりいろいろな味を選んで楽しめるということをアピールする売場をめざしました。販売動向については、ノンオイル系の商品が思っていたよりよく売れたことに注目しています」（山口店長）

選ぶ楽しさを提案する手に取りやすい売場を実現

売場づくりでの取引先との協力は情報交換や関係強化にも役立つ

山口店長（左）旭食品株式会社京都支店 営業一部 営業一課飯尾慶太氏（右）

山口店長はこうしたコンテストに参加する理由について、「メーカーさんや問屋さんの担当者とのやりとりの中で、一緒に考えたり、積む作業を手伝ってもらうと、コミュニケーションが深まりますし、さまざまな情報交換もできるようになります。

そうした人と人の関係を大事にしていきたいと常に考えています」という。そうしたコミュニケーションを重視する姿勢は、来店客に対しても同様だ。「こうした企画への参加は、取引先との関係があってできることなので、今後もそこは大切にしていきたいと思います。同様に、常連のお客さまも顔見知りのスタッフがいるから来店される、という面があります。ちょっと一声かけ合う程度でも、お客さまとのコミュニケーションが大事だと思っています。ですから今普及しているセミセルフレジなども、店の理屈からいえば効率的なのですが、お客さまとの接点をなるべく残すという意味から導入せずにいます」という。それだけに新型コロナウイルス対策には早くから徹底して取り組み、マスク着用はもちろん、うがい、手洗いの徹底、店内の消毒などにも力を入れてきた。そうした努力が店への安心感や信頼感につながっているのではないだろうか。

山口店長は、「必ずしも賞を目的として参加しているわけではありませんが、やはりグランプリをいただけたことは大変うれしいです。ドレッシングはなかなか難しい商品で、たとえば野菜の相場が上がると売れ行きが落ちる傾向が出てきます。それに対応する意味で、さまざまな提案が必要だと思っています。たとえば、ドレッシングとしてだけでなく、料理に使えるソースとして提案する、といったことなど。さまざまな異なる切り口にチャレンジしてみたいですね」と語る。

大陳を機会に、フルラインアップの商品を提案する大規模な売場を展開。目に付きやすい垂れ幕で商品ごとの特徴を紹介し、トッピング素材を手前下段で展開するなど、わかりやすく手に取りやすい売場をつくりあげた