演出効果によるイメージアップと商品特徴を訴求する独自POPを重視
提案がある売場づくり
写真左から、一ツ木店 主任 五島洋平氏と、眞露(株) 中部支社 前川祐介氏
今年の夏に開催されたJINRO「2017夏 ディスプレイコンテスト」の店舗コースにおいて、グランプリを獲得したのは(株)すぎた(愛知県岡崎市、杉田至代表取締役)の一ツ木店である。売場づくりを担当した主任の五島洋平氏は「全国で1位になれて、とても光栄です」と語った。
レジ前の目立つ場所での展開のため、来店者のほとんどが足を止めていたという。「いつもより、陳列量を増やし、ボリューム感を打ち出したことで、インパクトがあった」と五島主任。訴求は、レモンサワーなどの飲み方提案を中心に行った。その他の特徴も、五島主任自ら、JINROのホームページなどから情報を得て、オリジナルPOPを作成。竹炭でろ過している「チャミスル」もラインアップしたことから、さわやかなイメージもある竹を飾り、演出効果を高めている。
「当店は、酒類販売の専門店です。一般の消費者の方だけではなく、飲食店の方にも利用いただいていますので、数量やアイテム数、プラスアルファの情報や提案は、必須と考えています」と五島主任。常に意識しているボリューム感のある陳列と、情報提供や提案力があるPOPを備えた売場づくり。それが、今回の高評価につながったといえる。
新鮮な売場と提案力で勝負
朝から夕方は、主婦層が多く、夕方以降は単身者の利用が多いという一ツ木店は、地元の暮らしのパートナーである
愛知県内に24店舗を展開する㈱すぎた。ポリシーとして「豊かさの提供」を掲げている。これは、「豊富な選択肢」「欲しいものがある」という満足感の提供である。そのために、PBを含め5000種類もの品揃えを行っている。さらに、「来店したくなるような店づくり」ということで、心のこもった接客サービスを実践している。そのひとつとして、毎月「おすすめの1本」という販促を実施。新商品や季節に合った酒の情報提供であり、その酒に合うつまみも一緒に提案している。
一ツ木店は、名鉄名古屋本線「一ツ木駅」に近い立地のため、仕事帰りの単身者が立ち寄って、酒と夕食のおかずやつまみを購入するケースが多い。そのため、食品やチルドの品揃えを強化。夕方以降の顧客を意識したサービスであり、立地にリンクした「豊かさの提供」となっている。
JINROは、「リピーターが多い商品」と五島主任。今回は、新規顧客を獲得するために、トライアル的に購入できるJINRO DRY SPLASHなどRTDも陳列。このような取り組みができるのも、コンテストならではだ。また、店内のマンネリ防止として、常に売場を変更しているという。コンテスト参加による売場づくりが、効果的な季節演出や、売場の新鮮さの創出となり、活性化につながっている。
五島主任は、このような効果をふまえ、「今後も、積極的にコンテストに参加していきたい」と意欲を語ってくれた。