お酒との「おいしく楽しい時間」を訴求ポイントに購買意欲をアップ
韓国居酒屋をテーマに展開
昨年の秋に実施されたJINRO「2022秋 ディスプレイコンテスト」において、店舗グランプリを受賞したのは㈱バッカス(岡山県津山市、三村弘光代表)の宮長店である。店長の中島元貴氏は「昨年、店長を兼任しているウエストランド店で準グランプリを受賞しましたが、やはりグランプリは格別です。本当にうれしいです」と話す。
より多くの来店客の目を引くために、「バッカス韓国焼酎店」という居酒屋をテーマに陳列を実施。コロナ禍にあって、家飲みが増えたことから、その需要をさらに取り込むためにJINROやチャミスルに合う韓国料理の写真を活用した。「お酒だけをきれいに並べても注目度はアップしません」と中島店長。酒を楽しむおいしい料理や楽しい時間をイメージしてもらうことで、購買意欲をアップする売場がつくられた。
また、若い女性を中心に人気が高いチャミスルを意識して、オリジナルPOPとともに、ハートや星型のバルーンを採用したポップで華やかな明るい演出も効果的。「売場担当の白岩さんの女性ならではのセンスを発揮してもらったことが大きい」と中島店長。
色とりどりで華やかな売場は、好評で若い女性をはじめ、幅広い層の来店客が多く立ち寄る売場となった。その結果、立ち寄り率と比例するように好調な売れ行きとなった。
酒専門店の新たな取り組み
㈱バッカスは8店舗の酒専門店を岡山県と鳥取県で展開している。宮長店はオープンから20年以上の歴史を持つが、昨年、グループ会社が運営するスーパーマーケット(SM)のマルイ宮長店内にリニューアルを機に移転した。
「単独店の時より、SM内の店舗であることで、来店客数は増加している」(中島店長)。さらに、SM内の利点を活用するためにメニュー提案を積極的に実施。SMと関連したメニューを訴求することで、売上アップに結びつける施策を導入している。今回のコンテスト時に、SMで「韓国フェア」が実施されており、その連動が功を奏したと考えている。
「専門店としての豊富な商品ラインアップや価格は、もちろん重要です。しかし、これからは『この料理には、このお酒が合う』というような食卓を楽しくする提案を積極的に行うことが、専門店の役割であり、売上アップの施策になる」と新たな取り組みへの考えを中島店長は語る。
今回の売場は好評で1カ月展開した。その後、規模は縮小したが1カ月の継続販売となり、2カ月間というロングランでの販売となった。「チャミスルは売れ筋商品ですが、売れるフレーバーは「フレッシュ」と「マスカット」と決まっていました。今回、コンテストを実施した影響で、他のフレーバーも売上が伸びました」(中島店長)という。
念願のグランプリを受賞できたので、次回もチャレンジして、「酒専門店として連覇をめざしたい」と中島店長は抱負を語ってくれた。