来店客の興味と購買を促進したオリジナリティーと飲み方提案
来店客の足を止める工夫
昨年の冬に実施されたブラウンフォーマン社の「JACK DANIEL’S DISPLAY CONTEST」において、店舗賞Christmasコースのグランプリを受賞したのは、クロモリグループ ビックリッキー(北海道札幌市、黒森功代表)の恵み野店である。同グループ本部統括部長の山田淳氏は「グランプリ受賞は、素直にうれしいです」と喜びを語ってくれた。
目立つ売場にすることで、立ち寄り率をアップし、「ジャックダニエル」の愛飲者はもちろん、なじみのない層にもアプローチすることを考えたディスプレイとなっている。
バーをイメージし、カウンター奥の酒棚に陳列されたような演出を実施。「直線的に商品を並べるのではなく、曲線的に陳列したのは、より広い角度で商品認知をしていただくためです」と山田部長。「これは何?」と売場に立ち寄ってもらい、バーで酒を選ぶような楽しみがある売場が狙いである。
そのために、「ジャックダニエル」の歴史をアピールするPOPをはじめ、アイテム別の特徴もしっかりPOPで訴求している。さらに、女性でも飲みやすい「テネシーハニー」は、その特徴だけでなく、「ミルク割り」のアレンジ提案も行った。「トライアル需要を考えて、ハーフボトルも並べました」と山田部長は話す。
洒落たバー演出と商品訴求、飲み方提案と3つの要素が相まって、売上を大きく伸ばすことができたという。
プラスアルファがある専門店
酒と米の専門店であるボランタリーチェーンのビックリッキーは、道央、道北、道東地区に27店舗を展開。その中で、クロモリグループの「ビックリッキー」は、札幌市内とその周辺に7店舗あり、今回のコンテストには、全店で参加している。
恵み野店がある恵庭市は、「恵庭ニュータウン恵み野」を中心に住宅が広がる地域。店舗の近隣には、大学や専門学校もあり、幅広い世代が顧客となっている。
専門店として、豊富な品揃えや商品知識には自信がある。山田部長は「飲食店との取引も多いことから、お酒のおいしい飲み方のアドバイスをもらうことも多いです。また、自らいろいろな飲み方を試して、お客さまに紹介しています。今回のコンテストでも、実際に「ジャックダニエル」を飲み、その味を再確認しています」。
その結果、バーボンの中でも飲みやすいテネシーウイスキーである「ジャックダニエル」はクセがなく、まろやかな飲み口であることから、ウイスキー初心者や女性にも薦められると判断。さらに、「テネシーハニー」のミルク割りも提案できたという。
学生などの若者や子供と一緒に来店するファミリー層をはじめとする顧客の要望に応えるため、酒だけでなく、食品やお菓子の品揃えも強化している。
「お酒のおつまみやおやつ、くつろぎのひとときのために、ワンストップでまかなえるようなラインアップがある店になれるように取り組んでいます」と山田部長。
酒の楽しみ方を広げるきっかけとなるディスプレイコンテストは、参加の価値が高いとの考えから、次回は違うアプローチやコンセプトで挑戦したいとのことだ。