鍋がおいしくなる季節には日本酒ストレートな訴求で真っ向勝負!
圧倒的なボリューム感で訴求
今年の秋に実施された白鶴酒造の「2019年秋 店頭陳列・演出コンクール」のAコースにおいて、グランプリを受賞したのは㈲油甚(大阪府泉大津市、酉井宏平代表取締役社長)の油甚 泉大津店。店長の中前裕介氏は「今年からメーカー主催のコンテストに参加するようになって、令和元年の締めくくりとして白鶴のコンテストでグランプリを受賞できたことは、とてもうれしいです」と語る。
今回の売場は、入口奥の客動線的に来店客がいちばん通過する場所を催事スペースにして展開。「白鶴 まる」を中心に、「白鶴 まる辛口」や「上 白鶴 サケパック レギュラー」などの定番商品を中心に圧倒的な陳列を実施した。
「定番でも売れている白鶴商品なので、売り切れる確信があり、安心して大量陳列ができます」と中前店長。SKU数を出して、ボリューム感を高めることで、来店客の購買意欲もアップすることをねらいとした品揃えとなっている。
陳列も、単純なひな壇ではなく、パッケージのカラーリングを活用した並びや、中央のラウンド型の陳列など、技法を生かすことで、視認率もアップしている。
季節感を添える紅葉をディスプレイして、鍋がおいしくなる秋を訴求。日本酒がおいしくなる旬のアピールも効果的な売場である。
専門店ならではのケース買い
㈲油甚は、南大阪で15店舗の酒専門店を展開している。酒類以外の飲料にも力を入れた品揃えを行い、おつまみになる食品や菓子類も取り揃えている。また、ギフト需要にも積極的に応えている。
同社は、地域特性を反映した品揃えや売場づくりを推進しており、店長権限で決めることも可能となっている。そのため、各店には古くからの顧客が多く、コミュニケーションを深めることで、消費者ニーズを把握した運営を行っている。
油甚 泉大津店は、国道に面しているため、自動車での来店がほとんどである。平日の午前中はシニア層、夕方は会社帰りの人が来店する。その他、業務店の購入とさまざまな客が利用している。週末になると、まとめ買いの一般客であふれかえるという。酒類のケース買いはもちろん、ジュースやお茶などの飲料もケース買いされるという。
酒類専門店ということもあり、近隣のドラッグストアやスーパーマーケットとは、棲み分けができているということで、「地域の消費者には、酒類や飲料を買うなら油甚泉大津店と決まっているようです」と中前店長は話す。
「当社社長の意向で、今年からメーカー主催のディスプレイコンテストに参加するようになりましたが、今回の白鶴のグランプリをはじめ、他のコンテストでも上位入賞をさせていただきました」と中前店長。今年1年間の経験を生かして、来年は今年以上の成績を残せるように挑戦を続けていきたいと語ってくれた。