多彩な品揃えと商品提案力!酒専門店こだわりの売場づくり
売り切るための売場づくり
2019年に実施された月桂冠「秋の大陳コンテスト」において、Aコースのグランプリを獲得したのは㈱しず商店(鳥取県鳥取市、清家貴司代表取締役社長)の酒専門店SHIZU東伯店である。同社の売場づくりの責任者である代表取締役社長の清家貴司氏は「会社としては、秋の大陳コンテストは5年連続でグランプリをいただいています。毎回、高い評価をいただき、感謝しております。他商品のコンテストでは、10年以上の受賞を続けられている企業様もいらっしゃいます。それを目標に当社も連覇を続けられるように、気を引き締めて取り組んできた結果だと思います」と語ってくれた。
同社は、大陳コンテストのための陳列にならないことを心がけている。さらに、限られた催事スペースのなかで、圧倒的なボリューム感を打ち出すことにこだわりを持っている。そのためには、大量の商品を仕入れても売り切れる販売力が必要であると考えている。業種業態を越えて、オーバーストア時代であるからこそ、売場づくりは重要な要素となっているという。
今回も、売り切るためのアイデアを生かした売場となっている。最前列では、「THE SHOT」の2種類のボトルを使用し、色の違いで「SHOT」の文字が浮き上がる演出を実施。来店客の興味を喚起する売場になっている。 「特定名称酒」「定番酒」「新商品」というように、商品を多彩に品揃えすることで、酒専門店ならではの選ぶ楽しさや飲み比べを提案できる陳列を行っている。また、商品を手に取りやすいひな壇陳列も売り切るためのポイントになっている。
清家社長は「受賞の原動力は、なんといっても現場のがんばりです」とスタッフの労をねぎらっていた。
メーカーとのよりよい関係
㈱しず商店は、酒専門店SHIZUと酒専門店SAMというグループ店を鳥取県と島根県で、9店舗を展開している。今回も全店がコンテストに参加した。その理由は、「当社は専門店である以上、スタッフは豊富な商品知識を身につけていなければならないという考えからです」(清家社長)。
売場づくりを行うために、社員はもちろん、アルバイトやパートタイマーも含め、全スタッフが酒のこと、商品のこと、メーカーのことを知る必要があり、勉強するよい機会ととらえているからである。
得られた知識やうんちくを活用して、酒類のおいしさや楽しさなどに関するメッセージや提案が伝えられる売場づくりを行っている。また、来店客からの商品選びの相談にも気軽に対応する接客も積極的に行っている。顧客に頼られる存在になれることから、全スタッフのやりがいやモチベーションアップにつながっている。「ただ商品を積むのではなく、意味のある陳列や売場づくりを行うことは、自身の成長ということだけではなく、仕事が楽しくなる要因にもなる」と清家社長は考えている。
そのためには、メーカーの協力も重要となる。「一緒に歩んでいけるようなよりよい関係を築けるかどうか。弊社はメーカーの担当者に恵まれています。今回の担当の小見山様には、最大限の感謝を伝えたいと思います。そして、ご長男誕生おめでとうございます!」と清家社長。
「今後も、顧客に喜ばれる売場づくりによって、連覇を達成できるよう全社を挙げてがんばります」と語ってくれた。