ドン・キホーテならではの手書きボードを駆使し「ベープ60周年」と独自性を打ち出す
現場に任せる企業風土を生かし独自性のある売場づくりを実現
フマキラーの「ベープマット」発売60周年を記念したディスプレイコンテストで、ベープ賞グランプリに輝いたMEGAドン・キホーテ鹿屋店。同店店長の河野輝次氏は、「受賞を聞いたときは信じられない思いでしたが、大変名誉な賞をいただくことができ、また店舗スタッフが努力した結果が評価されたことは、素直にうれしいです」と受賞の感想を語る。
同店に限らず、ドン・キホーテの店舗では、現場の判断を重視し、さまざまな権限を委譲する風土があるという。今回の売場も実際に担当したのは、同店売場担当の内村彰吾氏だった。
内村氏は、「売場をどうつくるかは、ある程度任されていますので、普段から店舗周辺に居住するお客さまのニーズに的確に対応できる品揃えを意識しています。品揃えについては、お客さまの動向だけでなく他店の売場なども見て、さまざまな情報収集を行っています」と言う。
今回のコンテストについて内村氏は、「季節商品などを展開する催事コーナーで大きなスペースをいただきましたので、ベープシリーズを中心に、なるべく多くの関連商品を揃え、用途に応じて選びやすく、しかもドン・キホーテらしい楽しめる売場をめざしました。今回の受賞は、これまで追求してきたことが間違っていなかった、という自信につながりました」と喜びを語る。
「ドン・キホーテの陳列はすごいな」と思ってもらえる売場をめざす
実際の陳列でまず考えたのは、「ベープ60周年」を、ひと目でわかるように訴求することだった。
そのため手書きPOPが売り物として知られる同社店舗の特徴を生かすために、専門のPOPライターと相談しながら、オリジナルツールのデザインや色合いを決定。同社キャラクターの“ドンペン”のイラスト入りボードを制作した。立体的にあしらった「VAPE 60TH」のバルーン文字と併せて、60周年を大きくアピールしている。
「見た目のきれいさ、見やすさにもこだわりました。幅広いアイテムを集約するなかで、棚の高さを揃え、お客さまの視線の動きがスムーズになるように調整しています。陳列のテクニックについては、店長がさまざまな経験を持っているので、アドバイスをもらうことも多く、いつもお客さまからの“見え方”を意識するように言われています」(内村氏)。
また商品の配置については、比較的重さのある商品を下段に配置するなど、取りやすさにもこだわっている。内村氏は、「次の機会があれば、また新しいアイデアでチャレンジしてみたい」と意欲的に語ってくれた。
また河野店長は、「今回の陳列はこれぞ“ドンキ”の陳列だという真髄を表してくれたと思います。担当者に任せた陳列ですが、店長としても本心は飛び上がりたいくらいうれしい。全国で多くの店舗を展開するなかで、“やっぱりドン・キホーテの陳列はすごいな”と思っていただけたら、と思います。また店舗に多くの裁量権をいただいていますので、いずれは、その中でも鹿屋店ならではの独自性を打ち出していけたら、と思っています」と語っている。