全店参加の方針と“現場主義”で各店が独自性あふれる演出を展開
メーカーとのコラボを積極展開し販売実績の向上につなげる
今回のディスプレイコンテストで企業賞グランプリを受賞したのは、スーパーマーケット「食品館あおば」を運営する株式会社ビック・ライズ。全35店舗が今回の企画に参加し、個店でも多くの賞を受賞したが、全体的なレベルの高さが企業賞グランプリ獲得につながった。
同社取締役グロッサリー本部長の中嶋幸治氏は、「お客さまに喜んでいただけるよう、店舗ごとに担当者が独自に陳列を考え、売上向上につながるように努力しています。今回、こうした賞をいただけたことは意外でもあり、びっくりしていますが、担当したスタッフ達にとっては大変励みになると喜んでいます」と語る。
また、冷凍食品部門を担当する同社日配バイヤー兼ブロック長の阿部栄氏は「さまざまなメーカーさんからの提案を受け、協力していくことで売上が上がっていきますので、できる限り全店で参加することにしています。店舗の規模が異なるので、陳列の内容はそれぞれの店舗にまかせていますが、毎月のようにこうした企画に参加しており、着実に実績につながっています」とディスプレイコンテストの効果を高く評価している。
同社管理本部マネージャーの穐田英一氏も「今回の受賞は大変うれしいです。本部で全店参加を原則としていますが、実際の売場づくりは店舗ごとの“現場主義”。今回も各店の努力を評価していただいて、光栄に思っています」という。
陳列を得意とするスタッフのアイデアやセンスを生かす
全店参加を原則とする中で、食品館あおば常盤台店は、売場規模も大きく、これまでも多くの受賞実績を重ねてきた。
同店店長の松本高誌氏は、「当店は大学の近くという立地なので、比較的若年層のお客さまが多く、遅い時間帯にもピークがあるという、他店とはやや違った特性を持っています。若いファミリー層の方も多いので、日頃から陳列での訴求を意識しています。また、遅い時間帯でも欠品が出ないようにしています」と店舗の特徴を語る。
陳列を担当したのは、同店グロッサリー担当の杉山莉菜氏。「参加するからには何か賞を取りたいという気持ちで取り組んでいます。今回は大きくスペースを取ることができたので、通路をはさんで向かい合っている冷凍什器をまたぐような形で、目立つボードを制作して掲げました。A3の用紙を12枚つなぎ合わせて作っています。フロアディスプレイについてはラミネート加工して使用しています。ツールを自作することでオリジナリティを出したいと考えました。いつもやっていることなので、特別大変だと思ったことはありません」と語る。
同店では、このコンテストへの参加で過去最大の売上の伸びを記録したという。
「常盤台店は、いつも意欲的な陳列を行ってくれて驚かされています。カテゴリー全体の実績を全社的に見ても110%程度伸びていますので、大変成果の高い企画だったと見ています」(阿部バイヤー)
また中嶋氏は、「今後もメーカーさんの提案にうまく乗っていきたい。ようやく店頭での試食販売もできるようになってきましたので、スタッフのセンスやアイデアで、店舗の活性化につなげていきたいと思います」と語っている。