コンテストに参加することで各店舗の売場づくりが強化される
各店の個性を結集して参加
全店の売場づくりのまとめ役であった商品部 酒バイヤーの小林裕美氏(左)と、アサヒビール(株) 栃木支社 栃木支店の臼井優氏
昨年の9月から12月に実施された「アサヒビール連続陳列コンテスト」の第一弾「おウチ de オトナHALLOWEEN」において、企業賞のグランプリを獲得したのは(株)オータニ(大谷章代表取締役社長)である。各店舗の売場づくりのまとめ役であった商品部酒バイヤーの小林裕美氏は「各店の取り組みから、『これなら、上位の賞はとれる』と思いましたが、グランプリには驚きました。本当にうれしいです」と喜びを語ってくれた。
定例の店長会議で、今回のコンテスト参加を伝えた小林バイヤーは「各店で100ケース以上売り切れる売場づくりを考えてください」と同社の取り組みを発表。店舗ごとに、商圏特性の違いや店舗スペースの大小もあることから、企画テーマと基本的な部分以外は、各店舗の裁量に任せたという。
各店とも、オリジナルPOPを作成し、演出アイデアや陳列技法も駆使しながら、購買意欲を高める売場づくりを実施。展開場所も催事スペースやエンド、多箇所展開など、店舗事情によって、工夫しながら、全店参加を実現している。
各店の売場づくりを確認した時点で、小林バイヤーは「確認の段階で、その出来映えから受賞を確信した」と言えるものだったという。
同社の酒類販売の約5割を占めるビール類の販促企画のひとつとして参加した今回の陳列コンテスト。各店の意欲的な取り組みもあり、売上をつくることができ、グランプリも受賞という最高の結果となった。
競争激化の中、提案を強化
(株)オータニは、栃木県を中心として、顧客満足を第一に考える「スーパーオータニ」と、本物志向のニーズに応える「フードオアシスOTANI」の2種類の業態で、スーパーマーケット(SM)31店舗を展開している。顧客サービスとして発行しているポイントカード「オータニカード」を活用してもらうために「2倍ポイントデー」や「5倍ポイントデー」を実施している。さらに、メーカーの協力を得て「オリジナルキャンペーン」なども実施している。今回の陳列コンテスト実施時期にも、アサヒビールとの共同施策として、同社のオリジナルキャンペーンを展開することで、顧客満足度の高い販売促進としての魅力をプラスしている。
小林バイヤーは「SMは生鮮が中心ですが、酒類販売を強化することで、売上の底上げを図れるのではないか」と日頃から考えている。
酒類自体の拡売としては、新しい飲み方提案などの情報提供により、需要拡大を促進すること。もうひとつは、おつまみや酒に合うメニューの提案を連動させることで、生鮮や他の部門との関連販売を促進させること。酒類販売には、もしかしたら、いろいろな可能性があるのではと思わせてくれたのも、今回の陳列コンテストであり「オータニへ買物に行くと、おいしさや楽しさとの出会いがあると、来店者に思われる店になれば」と小林バイヤーは語る。今後も、提案力のある売場づくりをめざしていく考えである。