株式会社ライフスケープマーケティング トータルサービス部 マネージャー 倉田悠
1.ビネガードリンクの食卓出現が伸長
12月3日時点での食卓に出現するメニューのトレンドを見ると、直近一年における「酢(飲用)」(以下ビネガードリンクと表記)の前年超え回数(※1)が51回となり、昨今の“健康ブーム”などの影響からもビネガードリンクの家庭内浸透が推測できる。<図表①> <図表①> メニューTI値(前年超え回数ソート)
分析期間:2018/12/3週時点 出典:食MAP® 食卓機会:1日計 TI値:1000食卓あたりの出現回数 モニタ募集時年齢64歳以下
2.ビネガードリンクは食中需要が約7割
ビネガードリンクの出現シーンを見ると、食中需要(朝食・昼食・夕食)が経年で増加していることがわかる。2013年度は間食・夜食の出現構成比が最も多く45%を占めていたが、2017年度は朝食が41.5%を占め間食・夜食と逆転しており、朝食・昼食・夕食の食中利用を合算すると約7割となる。ビネガードリンク関連訴求において「食べ合わせ・飲み合わせ」などの食卓提案がポイントとなりそうだ。<図表②>
分析期間:2013/4/1~2018/3/31 出典:食MAP® 食卓機会:1日計 モニタ募集時年齢64歳以下
3.朝食のビネガードリンクは「健康」、「和風」シーンで出現
分析期間:2017/12/1~2018/11/30 出典:食MAP® 食卓機会:朝食 同時出現率:各メニューが、当該メニュー(ビネガードリンク)と同時に食卓に出現した割合 通常出現率:各メニューが食卓に出現した割合 モニタ募集時年齢64歳以下
ビネガードリンクは需要が高まる食中において、どんな飲まれ方をしているのだろうか。出現ボリュームの多い朝食における、ビネガードリンクの同時出現メニュー傾向を見ると、「プレーンヨーグルト」や「甘酒・白酒」、「野菜ジュース」、「チーズそのまま」などの出現が高く、健康意識が食卓に表れていることが読み取れる。また、「ご飯」や「味噌汁」、「お茶類」の出現も高く、和風食卓での飲用シーンも推測できる。一方で、「バナナ」、「菓子パン・デニッシュ」、「食パン」、「その他シリアル」、「コーヒー」などの、定番の洋風朝食メニューは減少傾向となる。<図表③>
4.ビネガードリンクは50歳以上世帯で出現が高い
次に朝食におけるビネガードリンクの出現を主婦年齢別に見てみると、50代が全体と比べて出現TI値が173.8%、60歳以上が133.4%となり、50歳以上世帯で出現が高いことが読み取れる。<図表④>
<図表④>主婦年代別ビネガードリンクのTI値(全体を100%とした場合)
分析期間:2017/12/1~2018/11/30 出典:食MAP® 食卓機会:朝食 モニタ募集時年齢64歳以下 TI値:1000食卓あたりの出現回数
これらの傾向からビネガードリンク関連訴求において「中高年層」、「朝食」、「健康・和風」というキーワードが見えてきた。食MAPデータから、食卓出現実態を把握することで、より効果的な売り場展開が実現できるのではないだろうか。
本稿内データは(株)ライフスケープマーケティングが提供する以下ツールを用いて算出しています。
・食MAP®WEBスコープ http://www.lifescape-m.co.jp/service/webscope.shtml ・食MAP®トレンドサーチ http://www.lifescape-m.co.jp/service/trendsearch.shtml
【補足】
※1 直近52週のうち、TI値の前年同週比100%を上回った週の数 ※2 直近週を起点に、TI値が連続で前年同週比100%を上回った週の数
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