限られたスペースを最大限に生かしダイナミックでオリジナル性の高い売場を実現
100周年が決め手となってコンテストへの参加を決定
ヨーロッパでNo.1の売上を誇る、グミの元祖ともいえる「HARIBO」が、2020年に創業100周年を迎えたことを記念して実施された今回のコンテスト。日本への輸出は1985年から行われ、人気商品へと成長している。世界中で100周年を盛り上げるプロモーションを展開しており、その記念すべきイベントにおいて、みごとにボリュームコース金賞を獲得したのは、アークスグループの株式会社福原が運営するビッグハウス中標津店だ。
同社第2商品部・菓子課バイヤーの佐々木勝一氏は「100周年を盛り上げる企画ということでご提案をいただき、これまであまりこうしたコンテストに参加する機会はなかったのですが、初めて本格的に取り組みました。そうしたなかで金賞をいただき大変光栄に思います。実際に担当したビッグハウス中標津店グロサリーチーフの早瀬晃太氏は、当社でも期待の人材ですが、想像以上にダイナミックな陳列を行っていたので、結果にも期待が持てると考えていました」と語る。
とはいえ同社も、2020年はコロナの影響を免れることができなかった。外出自粛などで来店頻度が下がり、来店客数も減少。その分、まとめ買い需要で買い上げ点数は増え、生鮮を中心に売上は伸びたが、逆に嗜好品である菓子類は、もともと衝動買いのウエイトが高いため、客数減の影響を直接受けて苦戦したという。
だが、今回のコンテストでは来店客の反応もよく、好調な販売実績を記録。「HARIBOは日頃からよく売れている年間を通して実績のある商品ですが、目立つ売場を展開したことで、想像以上の売上につながりました。また外出が制限されるなかで来店されたお客さまには、少しでも楽しんでいただくことができたのではないかと思います」(佐々木バイヤー)
同店グロサリーチーフの早瀬氏によると、陳列されたコーナーの前で記念撮影を行う来店客もいたほどの注目を集めていたという。
大きく目立つ演出で見た目のインパクトを重視
実際の売場は店舗入口前の催事スペースで展開した。クリスマスコーナーとして季節感を演出したほか、手づくりの販促物なども加えて、迫力ある陳列を行った。
陳列に当たって意識したのは、限られたスペースを活用しながら、とにかく大きく目立つ売場をつくること。見た目のインパクトによって顧客の目を引きつけようというコンセプトだった。
支給の専用什器を使って半円形に売場をつくり、カラフルで楽しさのあふれる演出に成功している。
佐々木バイヤーは、「今回の結果を全店に共有し、参加経験をほかの店舗でも生かしていきたいと考えています。またアークスグループ内では、各種の大陳コンテストで実績のある店舗が多いので、それらも参考にし、コミュニケーションを取りながら今後も取り組んでいきたいと思います。とくに菓子カテゴリーでは、売場の楽しさをどう演出していくかという価格以外の魅力の打ち出しが大きなポイントになります。その分、コンテストでの経験を活用する機会も多いと思います」と語る。
同社では、コンテストへの参加や具体的な陳列アイデアなどは、すべて各店の判断にまかせている。しかし、今回の金賞受賞が刺激となって、今後はより積極的に参加する店舗が増えることを期待しているという。