コロナの中でもがんばってきたすべての人に“感謝”のメッセージを
初めての参加でスーパーグランプリ受賞
さまざまなメーカー主催のディスプレイコンテストで受賞経験を持つホクノースーパー厚別5条店は、明治の企画に初めて参加。いきなりディスプレイコースのスーパーグランプリを獲得した。
同店店長の泉伸一氏は、「初めての参加でしたので、何か賞に届けばいいなと思っていました。スーパーグランプリをいただいて本当に驚いているというのが、正直なところです」と喜びを語る。
同店では、ディスプレイコンテストには積極的に参加する方針で、常に複数の大陳企画の準備を進めている。泉店長を中心に、陳列・演出に取り組むスタッフも多くの経験を積み、作業の進め方に慣れているという強みを持っている。「規模の小さな、地元リピーターのお客さまが中心の店なので、常にさまざまな演出で店頭の雰囲気を変え、お客さまに楽しんで買物をしていただきたい。そんな思いで、取り組んでいます」(泉店長)。
今回は、参加を決定して以降、過去の受賞事例を詳細に研究し、これまでにないアプローチを考えたという。その結果、陳列台を使ってボリューム感を出すのではなく、2本のエンドを中心に、売場全体でバレンタインの雰囲気をつくり出す演出を構想。商品の色合いとのコントラストを考えて、赤とピンクのオリジナル販促物で、周辺を華やかに染め上げる陳列を行った。
さらにテーマとして考えたのが、コロナ禍で沈みがちな社会の雰囲気の中で、それでもがんばってきたすべての人への“感謝”を表現したいということだった。
泉店長は「お客さまはもちろん、従業員やメーカー、卸の関係者など、すべての人に感謝したいという強い思いがありました。バレンタインはそれを表現するのにぴったりでした」という。
手づくり販促物を大胆にあしらう迫力ある陳列を展開
エンドはふだんから大陳に活用しているが、今回は1本を明治のロングセラー商品、もう1本を、近年人気が高まっている健康志向チョコレートに分けてゾーニング。
そのエンドにまたがる形で、巨大なトップボードを手づくりし、“感謝”のバレンタインを提案するメッセージを発信した。また周辺の雰囲気をバレンタイン一色に染めるため、ピンクのフロアディスプレイも手づくり。基本的に、メーカーが用意した販促物は一切使用していない。
いずれもコピー用紙で印刷し、貼り合わせて制作しており、トップボードはB4用紙で57枚、フロアディスプレイは実に114枚を要した。それ以外に、ゴンドラの左右に掲示したコメント用にも多くのコピー用紙を使用。それにラミネート処理をして、手づくりとは思えない完成度を実現する見事な手法。手分けをしても大変な作業ではあるが、これまでのコンテスト参加経験で身につけた、同店得意の技術だ。
また、天井近くに飾り付けた「meiji」ロゴのハートマークは、テグスを渡して取り付けたもの。エンド脇の赤いハートマークは、什器の色を隠してピンクに統一するために取り付けた。こうした細部に至るまで、店長やスタッフのアイデアで行き届いた陳列が行われている。
昨年はコロナの影響で菓子部門全体が苦戦したこともあり、昨年2月と比較すると売上実績も大きく伸ばしている。「とくに高カカオチョコレートは、初めて試してみて、リピーターになっていただいたお客さまも多そうです。何よりも、店として“感謝”の思いが伝えられたのではないかと思います」と泉店長は語ってくれた。